すみれ
ゆず

 

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2003/3/19発売
SNCC86901

1月にクリップ集、2月にシングル4枚を出しての満を持しての
5thアルバムは前作ユズモアから約1年ぶり。
先行シングル4枚と昨年10月に発売された「また会える日まで」
さらに、家庭教師のトライのCMで使用されている「旅立ちのナンバー」を含む
ゆず史上最多となる16曲が収録されている。

4部作の第一段であった「青」を初めて聴いたとき、
はっきり言って非常に幻滅させられた。
というのは、この曲、最近流行のパンク調なわけである。
もうパンクもいい加減聞き飽きたし。
ちょっといい加減にしてほしかった。
もうゆずの曲も聴くことないだろうな、とまで思ったほど。

ところが、その後に発売された「呼吸」、「すみれ」がかなりつぼにはまって。
「スミレ」もユズモア収録の「アゲイン2」の流れをうまいカンジに受けてて。
この3作聴いて、アルバムを買う気にさせられてしまいました。

この作品、聴いててすごく感じるのが、
初期の「飾らない」という、ゆず本来の魅力が久しぶりににじみ出てるというか。
とにかく、すごく親しみを感じられる曲ばかりで構成されてるんですね。
「ミスチルのCD」とか「東急ハンズ」とか固有名詞が出てくるところとかもそうですが。

岩沢さんの曲は、結構いつも通り。
しかし、なんか、どんどん声の高さが高くなっていってるような・・・

北川さんの曲がすごい変化を見せていて。
やっぱ、KEIKOとの失恋から変わったんでしょうか。
まず、ひとつは先にも書いたんだけど、「飾ってない」。
曲のテーマがすごい素朴なんですね、いい意味で。
スミレの花言葉は「謙虚」とか「誠実」とか。
ジャケットで使われてる紫のスミレだと「ささやかな幸せ」とか「ひそかな愛」とか。
今回の北川さんの曲って、結構この花言葉通りの曲がおおいかな。

注目の曲は、「桜道」シリーズと、「君は東京」。
「桜道」、じつはちゃんと「桜道1」が存在してるんですね、
あるところで(シングル「呼吸」のボーナストラックです。隠す必要なかったけど。)。
3曲ともすごい素朴。
もう、これぞ、ゆず、ってかんじの曲で。

「君は東京」はなんか、「君」への憧れと「東京」への憧れがかぶってくるんだけど、
途中でちょっとシリアスな話になったり。
憧れは憧れ、現実は現実。
なんか、憧れてはいたけど、絶対自分はそうならない、みたいな。
すごい絶妙です、この曲。

「青」はちょっと問題ですが、
「ゆずえん」以来の久しぶりの合格点です。自分の中では。

収録曲
桜道3 / スミレ / 3番線 / ふくろ / 駅(恵比寿〜上大岡) / 青 / 運転技術の向上 /
君は東京 / 旅立ちのナンバー / フラリ / 呼吸 / 桜道2 / 言えずのアイ・ライク・ユー /
カーテンのせい / ブザービーター / またあえる日まで


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First update: March 20, 2003.